素朴な疑問として「なぜワードプレス保守サービスが必要なのですか?」という質問を受けたので、この場を借りて回答したいと思います。

ワードプレス保守サービスは、主にはセキュリティ対策やバージョンアップを行うサービスとして知られており、不正アクセスを防止したり、抑止するための施策であったり、ワードプレス本体やプラグインのバージョンアップ作業を行うサービスという感じに、一般的に知られているようです。

もちろんこれらも大切なのですが、むしろもっと大切なのは「バックアップ」です。

それを理解していただくために具体的な事例を少しお話しますと、弊社は別プロジェクトでメイクショップを利用したネットショップを運営しているのですが、一度担当者が誤ってショップ運営データを削除してしまったことがあります。

当時事故のリカバリとして色々と手を尽くしましたが、管理画面からは一度削除したテーマを復活させることは出来なかったので、制作委託をしていた外注フリーランスにバナーや商品データ、HTML素材の元データを元に復元してもらうよう相談する他はなく、当時2,000件以上の商品数がある店舗でしたので、全てのデータ復元は難しいし、出来たとしても作業費が相当かかると言われました。

途方に暮れながらダメ元でメイクショップのサポートに復旧可能かを問い合わせた所、3日前までのデータであれば復元が可能とのことで、有償ではありましたが事故前日の状態に戻すことができました。それもあっさりと、お願いした翌日の10時にすぐ対応してもらえました。

もしバックアップがなかったら、これまで費やしてきたサイト構築の労力や投資が全て消えてしまうことになったわけです。復元できたとしても不完全な状態にしかできず、それであっても相当な金額が必要となっていましたから、バックアップというのは本当にありがたいものなのだと改めて思います。

ただしそれはクラウドサービスとして運営されているメイクショップやBASEなどのお話であって、無料オープンソースであるワードプレスで構築したサイトにバックアップの機能はついていませんので、自らバックアップをとっておく必要があります。もしバックアップを取っていなかった場合、何らかの理由でサイトのデータが喪失したら、上記の事例のように、それを復旧することは難しいのです。(出来たとしても相当マニアックな方法で復旧作業を行う必要があります。)

ワードプレス保守サービスは、サーバー死活監視や改ざんチェックなどのセキュリティ対策、本体バージョンアップなどのサービスなどに目が行きがちですが、それは言ってみれば不測の事態に遭遇しないようにするための対策であって、インフルエンザの予防接種のようなもの。肝心なことは病気になってしまってからの治療や回復などの診療なはずで、その最後の砦たる施策がバックアップです。

もちろんバックアップは一度取っておけばよいというわけではなく、一般的なワードプレス運営サイトはブログ記事やコンテンツを随時更新するので、定期的なバックアップ作業が必要です。

バックアップ作業は手動で対応してもよいのですが、バックアップはサイト運営において、いざという時の保険みたいなものですから、それがヒューマンエラーで正しく処理されていなかったり、何らかのミスでバックアップが行われていなかったりしたら目も当てられません。

重要案件ですし、一般的にはバックアップ作業の自動処理プログラムのプラグインを導入することが一般的です。そうして施策しておくことで、例えばウィークリーでバックアップを取っておけば、何かあった際に1週間前のバックアップを復元すれば、1週間前の状態に戻すことが出来ます。

ただウィークリーでのバックアップは週に2~3回の更新をしているサイトの場合、直近の2~3記事は復元できなくなってしまいますので、更新頻度が高いサイトはデイリーのバックアップが理想です。バックアップは基本ワードプレス内の全データ(=復元データ)を都度取るため、頻度が高くなればなるほど、保存容量が多くなり、その兼ね合いにはなります。

それよりも注意しなければならないのはバックアップ先の場所です。

バックアップ系プラグインも無料のものと有料のものがあり、当然無料のものは簡易的になっています。ワードプレスと同じサーバーの別ディレクトリに保存する仕組みになっているケースが多く、それだと正直あまり意味がないと思います。同じサーバーということは、つまりそのサーバーがウィルスに侵されてしまったり、何らかの設定ミスによって不具合が生じた場合、同じサーバーに保存されているバックアップデータが安全である保証はありません。

例えるなら、同じパソコンのマイドキュメント内のデータのバックアップを、同じパソコンの別のCドライブ内に置いてあるようなものです。せめてEドライブのSDカードに保存しておくなどしておけば、SDカードをパソコンから抜いて、復元することができるかもしれませんが、パソコンが故障してWindowsさえ開けない状況になったら、バックアップデータすら開けなくなり、バックアップの意味がまったくなくなってしまうようなものです。

一般的にウィルスに感染したり、ハッキングにあってマルウェアを仕込まれたりする場合、そのサイト全体がやられるわけで、当然バックアップが同じサーバーに置かれていたらバックアップごと持っていかれてしまいますから、あまり意味がないのです。

制作会社やフリーランスにバックアップを丸投げすると、大抵はこうした無料プラグインで、同一サーバーにバックアップデータを保存するだけでお仕舞いというケースが目立ちます。それであってもバックアップしてありますと報告されるので安心していると、いざという際バックアップデータごとにダメになってしまったということもありえるので、バックアップの場所がどこになっているのか、確認しておくことをお勧めします。

正しくはドロップボックスやGoogleドキュメンツなどのオンラインストレージや別サーバーにバックアップデータを保存する方法で、それであれば本体を保存しているウェブサーバーに障害が起きても、バックアップデータは別サーバーで生き残っているので、そのバックアップデータをマルウェア感染されていないかやウィルスに感染されていないかチェックの後に、復元すればもとに戻すことが出来ます。

最悪の場合でサーバー復旧が難しい場合であっても、別サーバーを新たに立てて、そこにワードプレスをインストールするとともにデータを復元すれば、元に戻せます。ドメイン管理サービスで、該当ドメインのDNSサーバー(ドメインを向けるサーバー)を新サーバーに指定すれば、新しいサーバーで復元することが可能です。

また一日に100万円を売り上げているようなeコマースサイトでは、サーバーダウンが長引けば長引くほど相当な売上損失になってしまうので、サーバーダウンがあった場合、瞬時にバックアップサーバーに切り替わる仕組みを構築して、不測の事態に備えます。

<まとめ>
このように保守サービスのすべての基本はバックアップによって成り立っていますから、一度以下のポイントについて確認しておくとよいと思います。

・バックアップは行われているのか?
・バックアップの頻度はどれくらいで行われているのか?
・バックアップのデータはどこに保存されているのか?
・バックアップのデータは本当に復元できるのか?

ITネットワークは安全なようで、実は様々なリスクに晒されていながら成り立っている部分が多分にあり、そうした危険性からプロテクトしたり、データが壊れてしまったという場合にリカバリーすることができるようにするのがワードプレス保守サービスの役割です。

ここまで記事を読んでいただけたなら、その必要性は十分感じていただけたのではないかと思います。

クラレボでは、特にバックアップに力を入れた保守サービスを行っており、バックアップ頻度は1日1回です。そして最新90日分のデータを自動保存するようにしています。この機会に是非検討してみて下さい。